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蒼き地球の誕生〜短鎖ペプチド仮説〜新たなるタンパク質ワールド仮説

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アミノ酸

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2020年3月17日 / 最終更新日時 : 2020年5月11日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

7.短鎖ペプチド鎖の結合能

短鎖ペプチドの重要な機能の一つは、他の短鎖ペプチドや多くの有機物質と特殊な結合する能力をもつであろうということである。この結合能力こそが、私が短鎖ペプチドが生命を誕生させた原動力の根拠になっているのである。そこで、この短鎖ペプチドの結合能について、しばらく述べることにする。  短鎖ペプチドに備わる「特殊な結合能」 どのような物質でも単独で存在することはなく、絶えず周りの物質と結合して相互に影響し合... 続きを読む

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2020年3月17日 / 最終更新日時 : 2020年4月6日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

8.非共有結合

原子・分子間の結合には大別して強い結合と弱い結合の二種類がある。物質間の結合で最も強いものは共有結合で、タンパク質の場合、ペプチド結合のみが共有結合であり、その直鎖構造は安定しており、それを分解するには外部から相対的に高いエネルギーを与えなければならない。ペプチドやタンパク質では共有結合は二次構造や立体構造の主鎖骨格の形成に関係している。 一方、弱い結合は非共有結合で、少し引っ張るとすぐ離れてしま... 続きを読む

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2020年3月17日 / 最終更新日時 : 2020年4月26日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

9.短鎖ペプチドと物質との選択的結合

  二つの結合要件 まず、短鎖ペプチドと物質との選択的な結合について考えてみたい。先に述べたように、アミノ酸残基が十数個以下の短鎖ペプチドは揺らぎが生じ、複数の遷移構造になることが明らかにされている。それは、その骨格構造の回転の自由度が大きいことと、安定状態や準安定状態の自由エネルギー値にあまり差がないからである。このような、複数の構造をもつ同じアミノ酸配列の短鎖ペプチドが対象物質と結合... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年5月11日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

11.擬態思想

 短鎖ぺプチドに備わる「擬態思想」 短鎖ペプチドの本性は、先に述べたように、自律的に自分のかたちや化学的性質を変えながら対象物質に適応し、最も高い結合特異性で一体化する戦略をとるという稀有な性質をもっていた。私はこのように相手のかたちに合わせて自分のかたちを変えることを、“擬態思想”と呼ぶことにした。擬態思想とは他の物質の性質には全くなく、短鎖ペプチドだけがもつ特殊な性質を象徴的に表現した言葉であ... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月7日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

12.短鎖ペプチドである必然性 

 短鎖ペプチド複合体が高い結合特異性をもつということは、その複合体が原則的に一つの物質のみと結合することを意味する。そうでなければ、高度の機能を維持することができないからである。それは、短鎖ペプチドとその複合体がすべての物質の種類や数だけ存在しなければならないことを意味する。地球上には膨大な種類の物質が存在するが、その物質に対応するために、それ以上の種類や数の短鎖ペプチドやその複合体を産出しなけれ... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月8日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

13.断片化思想

  短鎖ペプチドの特異的結合能力  上述したように、短鎖ペプチドとその複合体が原始地球環境に存在するすべての有機物質とそれぞれ特異的に結合する能力を獲得する過程において、将来出現するであろう未知の有機物質への対処を想定し、事前に準備を整えておくという思想が芽生えたのではないか、と私は考えている。このような考えに至ったのは、動物細胞の免疫系における抗体タンパクの生成機構を知ってからである。免疫系では... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月8日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

14.疑似思想からみた抗体タンパク

 結合特異性が高まる仕組み 次に、このような遺伝子の断片化思想で生成された抗体タンパクが、最初は対象抗原と低い特異性であるにもかかわらず次第に高い結合特異性を示すようになる理由を、先ほど述べた擬態思想の観点から考えてみたい。抗体タンパクは軽鎖と重鎖から構成され、抗原と結合する領域は可変領域、特にアミノ酸配列が著しく変化する三つの部位を超可変領域または相補性決定領域とよばれ、これらは抗原結合部位を形... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月8日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

15.モチーフ配列

ここで、もう一度短鎖ペプチドに立ち戻って考えてみよう。例えば、タンパク質が対象物質と結合する場合、生物種間でその結合部位のアミノ酸残基がほぼ同じで厳しく保存されている配列領域がある。この保存されたアミノ酸配列はモチーフ配列とよばれることもあるが、そのアミノ酸残基は数個から十数個というように、短鎖ペプチドと同じような長さになっている場合が圧倒的に多いことに注目したい。そして、これも短鎖ペプチドが機能... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年5月11日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

16.短鎖ペプチドの二段階分子進化 

次に、短鎖ペプチドの分子進化は二段階にわたっているという私の考えについて、述べてみたい。短鎖ペプチド複合体の複製については後述するが、その際、自然は経済的観点から短鎖ペプチドを最小限の種類に制限する必要があったと考えている。そのため、同一のペプチドであっても、その遷移状態の複数の揺らぎ構造さえ利用してしまうほどの徹底ぶりが想像できる。  進化の過程 第一段階の短鎖ペプチド生成は、原始地球の自然環境... 続きを読む

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2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年5月11日 Hiroshi Masuda 第1部  原始無生物環境における化学進化

17.郷通子のモジュール説

   ”生命の起源”とモジュール説 私の「タンパク質ワールド」仮説―「ペプチドの段階的合成説」に基づいて短鎖ペプチドが天然タンパク質の原型であるという発想のきっかけになったのは、郷通子のヘモグロビン分子構築に関するモジュール説であった。私が帯広畜産大学の助手だった頃、同校で取り組んでいた大豆の根粒の研究で、根粒を指でつぶすと出てくる赤い汁がヘモグロビンであることを初めて知り、植物にもヘモ... 続きを読む

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増田 宏志
元帯広畜産大学 畜産学部畜産科学科
畜産生命科学講座(細胞分子制御科学分野) 教授
東京都三鷹市在住
Email: hmasuda@peptideworld-masuda.net

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