2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月9日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 29.タンパク性物質(短鎖ペプチド構成体)の複製を考える タンパク質の分子進化の痕跡 ここからはいよいよ、短鎖ペプチド構成体の複製について述べてみたい。誰でもが考えているように、生命という自動制御組織体を支えている物質は基本的に稀有な性質をもち、まだ底知れない謎を秘めている。私はその物質が、多様なタンパク質であると確信し、その起源を探求することが生命の誕生を知る最も有力な手がかりになると考えている。 多くの研究者の中には、原始前生物環境でタンパク質の起... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月9日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 34.短鎖ペプチド構成体の複製と鋳型的多酵素複合体系機構 上述したように、原始前生物環境の初期の頃には、雑多に自然生成された短鎖ペプチドが次第に最小限の短鎖ペプチド構成体に収束されたと考えられる。短鎖ペプチド複合体は短鎖ペプチド構成体が特異的に複製されれば、立体構造は自動的に複製されることから、この構成体の種類が最小限度になったことは、次に起こる短鎖ペプチドの複製にとって経済性からみて重要なことであったと私は考えている。この最小限に収束され... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月10日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 35.原始前生物環境での短鎖ペプチド構成体の複製条件 遺伝子が存在しない原始前生物環境下での複製 しかし、ここで重大な疑問が生じる。現存のNRPs系を構成する一連のタンパク質は、遺伝子の情報に基づいてつくられていることである。即ち、鋳型的多酵素複合体系にある開始もしくは伸長モジュールなどに鋳型として結合するアミノ酸単体は、遺伝子の情報に基づいて、複製対象のペプチド性抗生物質などのアミノ酸配列順になるように結合する。NRPs系を構成する全てのタン... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月11日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 36.鋳型的多短鎖ペプチド複合体系の創生 触媒性短鎖ペプチド複合体の存在 原始前生物環境で、鋳型的多短鎖ペプチド複合体系を創生するための最初の課題は、短鎖ペプチド構成体のアミノ酸配列にあるアミノ酸残基を認識する物質の存在を確認することである。その認識した物質の結合部位に同じ側鎖をもつアミノ酸単体が並べば、原理的には鋳型的多短鎖ペプチド複合体系が成立することになる。そのため、最初に考えるべきことは、短鎖ペプチド構成体と結合して、そのア... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月17日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 39.触媒性短鎖ペプチド複合体の認識部位のグループ単位という概念 上述したなかで、短鎖ペプチド構成体の個々のアミノ酸残基に対する触媒性短鎖ペプチド複合体の認識部位のアミノ酸残基構造は、転移RNAアダプターのアンチコドンに相当するという考えを述べたが、それをもう少し詳細に述べてみたい。 複数のアミノ酸の関与 私がコドンと考えた短鎖ペプチド構成体の個々のアミノ酸残基と結合する構成体認識部位の構造をみると、コドン1個のアミノ酸残基に対して、構成体認識部位のアミノ酸残... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月17日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 40.コドンを持たないアミノ酸の意義と二つの系の共通点 コドンを持たないアミノ酸 なお、現在でも依然として細菌がNRPs系で特殊なペプチド性抗生物質を複製しているのは、D-アミノ酸やオルニチンのようなコドンをもたないアミノ酸が含まれており、リボソーム介在系が使用できないからであると考えられる。このことからも、原始前生物環境で、最初はD-アミノ酸やL-オルニチンのようなアミノ酸類やその他の成分をペプチドに取り込むことが可能なNRPs系が創生され、はるか... 続きを読むにほんブログ村