2020年6月11日 / 最終更新日時 : 2020年6月11日 Hiroshi Masuda 科学の広場 タンパク質構造の構成単位について タンパク質構造を構成するのは、個々のアミノ酸残基(一次元構造)ではなく、数個のアミノ酸残基の構造的集合体(三次元構造)である。 これは、Anfinsen dogmaの終焉を意味する。タンパク質構造を決定するのは、その一次構造では決してない。すなわち、構造を決定しているのは遺伝子の塩基配列ではなく、遺伝子がタンパク質構造決定の必須条件ではないということである。遺伝子は、タンパク質の基本的情報・一次構... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月9日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 19.タンパク質の折り畳み機構 Anfinsenドグマには、「天然タンパク質の一次構造は高次構造形成をかなりの程度まで自律的に規定する情報をもっている」とある。このドグマに従えば、天然タンパク質であるかどうかは、可逆的に折り畳みがおきるかどうかを確認すればよいことになる。私がこの折り畳みの存在をはじめて知ったのは、Anfinsenらがノーベル化学賞を受賞した少し前頃であった。この不思議な現象について私なりに述べてみたい。 本題に... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月9日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 30.「複製」の定義 ここまで、原始前生物環境において、タンパク質の原型である短鎖ペプチド複合体が短鎖ペプチド構成体の自律的な会合によって形成されること、短鎖ペプチド構成体が形成されれば短鎖ペプチド複合体が自動的に形成されるということについて説明してきた。さらに短鎖ペプチド複合体の複製についての私論を続けたい。 複製とはDNAだけによるものか? はじめに、「複製」という言葉であるが、生物系の辞典で調べると必ずその説明... 続きを読むにほんブログ村