タンパク質構造の構成単位について

タンパク質構造を構成するのは、個々のアミノ酸残基(一次元構造)ではなく、数個のアミノ酸残基の構造的集合体(三次元構造)である。

これは、Anfinsen dogmaの終焉を意味する。タンパク質構造を決定するのは、その一次構造では決してない。すなわち、構造を決定しているのは遺伝子の塩基配列ではなく、遺伝子がタンパク質構造決定の必須条件ではないということである。遺伝子は、タンパク質の基本的情報・一次構造アミノ酸配列を伝達しているに過ぎない。

タンパク質情報は一次元的アミノ酸配列という手段で伝達され、その後のタンパク質構造決定には関与していない。本質的に、タンパク質構造を構成する主役は、本書で提案する短鎖ペプチド鎖複合体なのである。タンパク質構造の最小単位は、短鎖ペプチド鎖であり、最も基本的な単位となる

これまで、一次構造での最小単位は、あくまでもアミノ酸残基とされてきた。20種類のアミノ酸を最小単位とすることで、膨大な数のタンパク質構造が可能となり、収拾がつかなくなる。しかし、最小単位が最小構造と規定することで、考察可能な適切な数となるのである。すなわち、遺伝子が関連する一次構造は、あくまでもタンパク質情報の伝達手段にすぎないと定義すべきである。

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