2020年3月17日 / 最終更新日時 : 2020年4月6日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 8.非共有結合 原子・分子間の結合には大別して強い結合と弱い結合の二種類がある。物質間の結合で最も強いものは共有結合で、タンパク質の場合、ペプチド結合のみが共有結合であり、その直鎖構造は安定しており、それを分解するには外部から相対的に高いエネルギーを与えなければならない。ペプチドやタンパク質では共有結合は二次構造や立体構造の主鎖骨格の形成に関係している。 一方、弱い結合は非共有結合で、少し引っ張るとすぐ離れてしま... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月17日 / 最終更新日時 : 2020年4月26日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 9.短鎖ペプチドと物質との選択的結合 二つの結合要件 まず、短鎖ペプチドと物質との選択的な結合について考えてみたい。先に述べたように、アミノ酸残基が十数個以下の短鎖ペプチドは揺らぎが生じ、複数の遷移構造になることが明らかにされている。それは、その骨格構造の回転の自由度が大きいことと、安定状態や準安定状態の自由エネルギー値にあまり差がないからである。このような、複数の構造をもつ同じアミノ酸配列の短鎖ペプチドが対象物質と結合... 続きを読むにほんブログ村