2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月19日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 18.タンパク質の階層的分子進化と細胞の自動制御組織体 次に、細胞の自動制御組織体はどのような構築原理で組み立てられたかについて、私の考えについて述べたい。短鎖ペプチド複合体は、原始前生物環境の末期か始原袋が形成された初期のいずれかに、短鎖ペプチド複合体を構成する短鎖ペプチド構成体がペプチド結合で連結し、一本の長い鎖に進化した可能性については、先に述べたとおりである。また、タンパク質構造は短鎖ペプチドの集積体で、これがタンパク質の構造を複雑化している... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月19日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 19.原始細胞の進化と生命誕生 私は先に、原始前生物環境の始原袋に関し、不完全ではあるが原始的な物質代謝やエネルギー代謝の創生と、炭素源であるブドウ糖から生命物質が生産できる物質代謝ネットワークの存在の可能性を指摘した。ただし、その代謝過程では中間代謝物が異常に蓄積されたり欠乏したりするなど、不均一で無秩序な状態が生じやすかったため、それを修正し恒常的・安定的に一定の代謝物を維持できる、ロステリック効果や触媒性タンパク質のリン... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月19日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 20.複合構成体の組織化と断片化思想 本書ではこれまでに、「断片化思想」という言葉を何度か使ってきたが、ここで改めてその意味について述べることにする。 「断片化思想」の語源 第1部で取り上げた断片化思想では、始原袋から原始細胞の進化の過程で、物質・エネルギー代謝系と遺伝装置の創生、および細胞小器官や顆粒などの細胞複合構造体の構築に、これが深く関わってきたことについて述べた。この断片化思想は私の造語で、これを思いついたのは、抗体... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月19日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 23.生命誕生の鍵を握る「タンパク質ワールド」仮説 タンパク質の起源 私は、タンパク性物質がRNAやDNAのような情報高分子よりもはるかに早く、この地球上に出現したと考えている一人である。その根拠は、分子進化で各種の物質がそれぞれ出現するには段階があること、合成が容易なものほど早く出現し、その後、その物質を基盤にして他の物質も巻き込みながら、徐々に複雑な物質が出現するという段階論を支持するからある。その原理を、生命の起源に大きな影響をあたえる... 続きを読むにほんブログ村