2020年3月15日 / 最終更新日時 : 2020年5月20日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 3.原始タンパク様物質の合成 「タンパク質ワールド」仮説を唱える立場から、まずは原始地球環境でタンパク質の創生についての概要を述べておきたい。原始タンパク様物質の合成には、大別すると「直接的高分子合成説」と「ペプチドの段階的合成説」の二通りが存在したと推定する。 原子タンパク様物質を創生する2つの合成説 「直接的高分子合成説」は、アミノ酸混合液を加熱重縮合反応することで直接ミクロスフェアのような高分子のタンパク様物質が一段階で... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月6日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 10.短鎖ペプチド複合体の形成 結合する相手はすべての有機物質が対象になるが、その中には他の短鎖ペプチドも当然含まれており、この場合に限って考えてみよう。二つの短鎖ペプチドが特異的に会合すると、短鎖ペプチドの複合体が形成されることになる。さらに、その複合体を中核にして、さらに別の短鎖ペプチドが会合し、その数を増やしていくと大きな複合体を形成すると考えられる。私は、その過程で複合体の内部構造の共有結合や非共有結合の再編が繰り返え... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月19日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 17.タンパク質に関する諸考察 本題からやや離れるが、ここではタンパク質に関して、今現在私が考えている二つのことについて書きとめておきたい。 タンパク質の構築原理 まず、一つ目。タンパク質は生物進化に伴って、これまでの自らの構築原理を見直し、独自の原理を獲得したのだろうか。私の考えは、否である。私は、タンパク質は原始前生物環境での短鎖ペプチドの出現から現存細胞に至るまで、同じ構築原理に基づいて進化を続けていると考えており... 続きを読むにほんブログ村