2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年5月11日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 16.短鎖ペプチドの二段階分子進化 次に、短鎖ペプチドの分子進化は二段階にわたっているという私の考えについて、述べてみたい。短鎖ペプチド複合体の複製については後述するが、その際、自然は経済的観点から短鎖ペプチドを最小限の種類に制限する必要があったと考えている。そのため、同一のペプチドであっても、その遷移状態の複数の揺らぎ構造さえ利用してしまうほどの徹底ぶりが想像できる。 進化の過程 第一段階の短鎖ペプチド生成は、原始地球の自然環境... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月18日 / 最終更新日時 : 2020年4月9日 Hiroshi Masuda 第1部 原始無生物環境における化学進化 23.モジュールとドメイン 天然タンパク質の構成単位として、モジュールやドメインなどの概念について述べておきたい。両者には明確な区別はなく、ともに遺伝子のエキソンと対応する構造と機能の単位である。アミノ酸残基数に違いがあるようで、モジュールは20~40個ほどの残基で、ドメインは通常50~200個ほどから構成される。遺伝子の関与が全くない原始前生物環境期では、短鎖ペプチド複合体形成過程の各段階を示しているにすぎず、いずれも固... 続きを読むにほんブログ村
2020年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年4月17日 Hiroshi Masuda 第2部 生命の誕生へ 2.短鎖ペプチド起源説 原始地球環境では、アミノ酸の直接熱重合によってミクロスフェアのような高分子のタンパク性物質が生成していたと考えられているが、アミノ酸が自然生成したのとは異なる原始地球環境下の海底の熱水噴火口で、短いペプチドが出現したことが有力視されている。私が考えたのは、この短鎖ペプチドが段階的な会合によって巨大化し、その過程で多様な機能を獲得し、天然タンパク質の原型が形成されることであった。しかもその場合、複... 続きを読むにほんブログ村